ひょうごスーパーハイスクール先進校枠指定校事業特別講義
令和3年3月4日(木)11:00~ 本校体育館において、『あきらめなければ、失敗ではない』と題して1年生を対象に、西脇市長 片山象三氏の講演会を実施しました。
兵庫県の地場産業の一つである播州織は、かつて20年以上にわたり海外に輸出するほど繊維工業として栄えていましたが、時代の流れとともに低コストで生産できる中国へ生産基盤が移ってしまいました。そこで、中小企業として生き残っていくためには、時代に即した技術開発が求められました。
市長になられる前は繊維機械を販売する会社の社長だった片山象三氏。片山氏が中心となり、機械メーカーや県の研究施設・地域の繊維業者などが協力し、織物をつくる作業の大幅なコストダウンを実現する糸作り機械を開発しました。
『あきらめなければ、失敗ではない』・「プロフェッショナル仕事の流儀」(NHK・2008年2月19日放送分)の映像と共に、開発に至る経緯を講演して頂きました。世界初というキーワードが何度も登場し、生産コストを1/5に下げ、赤いものと青いものが同時にできるという画期的な機械でした。
さらに、地元の織物工場で大量に残る糸をもう一度活用できないかと考え、知り合いのコンピューター関連の会社に声をかけた片山氏は、ICタグで大量の糸を管理しようとしました。糸巻きのどこにICタグを取り付けるか1年半悩んだ結果、西脇市の地場産業である釣り針をまっすぐに加工し、ICタグを端に取り付けた上で糸巻きに刺すというアイデアを考えました。釣り針の先についている「返し」が糸にひっかかり、抜けづらいということです。地場産業でのコラボで実現させた形となりました。
平成20年からは、織りながらドレスの形をつくっていく新しい機械の開発をしており、まだ完成はしていないので、「これを君たちの世代でぜひ実現してもらいたい。」と励ましの言葉を頂きました。
講演会後の質疑応答では、「あきらめないコツは?」と生徒から聞かれると、「うまくいってなくても、うまくいったことを周りが喜んでくれることを想像し、うまくいくことをイメージトレーニングしてやり続けること。」ということでした。
西脇市長 片山象三様、貴重なお話をどうもありがとうございました。